展覧会の紹介

2006年度の展覧会1

小杉小二郎――巴里/日光 ふりむけば放菴

2006年4月15日(土)〜2006年5月21日(日)

小杉小二郎《ノルマンディーの船着場》

小杉小二郎《ノルマンディーの船着場》

◆会場     小杉放菴記念日光美術館
◆休館日    会期中無休
◆開館時間   午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
◆入館料    一般700(630)円、大高生500(450)円、中小生300(270)円
        ()内は20名以上の団体割引料金
◆主催     財団法人 小杉放菴記念日光美術館/日光市
◆協力     三番町 小川美術館

 このたび、小杉放菴記念日光美術館では、〈小杉小二郎――巴里/日光 ふりむけば放菴〉展を開催いたします。
 小杉小二郎氏は、1944(昭和19)年に当時の東京・滝野川区で、美術史家の小杉一雄を父に、画家の小杉放菴を祖父として生まれました。1962(昭和37)年、日本におけるインダストリアル・デザインの草分けとして知られる叔父・小杉二郎の影響を受けて日本大学芸術学部工業デザイン科に入学。在学中から叔父のデザイン事務所に出入りして、車の製作のために横浜マツダへ通っていました。また、同じ頃、賀川豊彦に傾倒し、目白教会で洗礼も受けています。大学を卒業後は、一時、工業デザインの道へ進みますが、1968(昭和43)年から、画家を志して中川一政のアトリエに通いました。
 1970(昭和45)年には、中川一政に随って渡仏。一時帰国したのち、こんどは、単身で再びフランスへ戻り、グランド・ショーミエール研究所で学びます。1971(昭和46)年、サロン・ドートンヌに《静物》を出品し、以降は毎年、出品を続けることになりました。1974(昭和49)年には、最初の個展を銀座の彩壺堂で開催し、その後も2年ごとに個展を開催します。1975(昭和50)年、初めて安井賞展に出品して入選。1981(昭和56)年にはサロン・デ・ボザールでフラマン賞を受賞しました。この間、1976(昭和51)年からは、祖父である小杉放菴が晩年を過ごして制作に励んだ新潟県・新赤倉の山荘に近い趣きを見出したパリ郊外のサン・レミにアトリエを構え、より一層、精力的に活動を行ないます。
 1982(昭和57)年に初めての画集を講談社より刊行。1987(昭和62)年には、三浦朱門氏による朝日新聞の連載小説「ささやかな不仕合わせ」の挿絵を半年間にわたって担当しました。また、2001(平成13)年にも、日本経済新聞の連載小説「発熱」の挿絵を描いています。近年では、フランスと日本を行き来しながら、コラージュやオブジェ、さらには岩彩による制作にも取り組むようになりました。
 小杉小二郎氏の作品は、静物や風景、花や玩具を中心としたモティーフが多く、その形象を単純化し、繊細な色使いで静寂感を漂わせる画面に、しっとりとした穏やかな情感と豊かな詩的空間をたたえています。まさに、パリのエスプリを感じさせる、瀟洒な作品といえるでしょう。
 今回の展覧会では、油彩画だけに留まらず、コラージュやオブジェ、あるいは、聖書の物語やイコンを独自の解釈で装飾的に表現した最近の一連のシリーズも含め、その多彩な活動について一堂に御紹介いたします。小杉放菴の孫であり、現在の日本では有数の人気画家でもある小杉小二郎氏が、満を持して、祖父の名前を冠した日光の美術館で開催する待望の個展を、ぜひ御覧ください。

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