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挨拶

 小杉放菴記念日光美術館は「自然へのいつくしみ」を基本テーマに、日光出身の画家・小杉放菴の日本画、油彩画、水彩画などの作品と併せて、それらの作品を生み出す基盤となった、主に動物や植物を描いた素描を展示することで、小杉放菴という画家の多彩な才能と日本の近代美術史上における広範な影響関係を御紹介していきたいと考えています。

1906年の小杉放菴(未醒)

1906年の小杉放菴(未醒)

 小杉放菴には、横山大観や山本鼎、森田恒友や倉田白羊といった多くの友人の画家たちとの交流のほか、ピュヴュス・ド・シャヴァンヌやポール・ゴーギャンら、外国の著名な画家からの影響関係も指摘されており、さらには、国木田独歩や田山花袋、芥川龍之介といった著名な文学者たちとの親密な交友もありました。小杉放菴の作品を中心とした常設的な展示と同時に、これらの画家や作家たちについての企画展示を積極的に行なっていくことも、将来的には必要となるでしょう。

小杉未醒《泉》

小杉放菴(未醒)《泉》

 また、古くから日光山や東照宮の門前町として繁栄してきた日光は、明治以降も多くの外国人や文化人が訪れる国際観光地として賑わい、東照宮の建築に代表される芸術美と、華厳滝や中禅寺湖といった奥日光などの自然美との強烈な対比は、遠くヨーロッパやアメリカにまで知られて内外の芸術家や文化人に大きな影響を与えてきました。小杉放菴は、まさに、このような状況下の日光において生まれ育ったわけですが、その画家を育んだ土壌である、近代日光の豊かな自然と優れた文化的な背景についての調査と研究を行ない、市の内外に広く御理解いただけるような展示を企画することも、美術館の重要な役割ではないかと思われます。

小杉未醒《神橋》

小杉放菴(未醒)《神橋》

 小杉放菴記念日光美術館では、以上のような基本方針をふまえつつ、皆さま方の身近な教育文化施設として親しまれるように、幅広い活動を行なってまいりますので、御家族や御友人をお誘い合わせの上、お気軽に御来館いただき、整備された環境に置かれる良質な美術作品のみが醸し出す豊潤な美の世界を十分にお楽しみください。