期待どおりの演奏

第76回演奏会
QUARTETTO CLASSICO 古典四重奏団

2009年5月17日(日曜日)    18時30分開演
川原千真(第1ヴァイオリン)
花崎淳生(第2ヴァイオリン)
三輪真樹(ヴィオラ)
田崎瑞博(チェロ)

優れた演奏会を数多く開催しているこの美術館の中でも、
本年度随一と言っていい内容だった。

美術館コンサートは全国的にも珍しいものではないが、
内容の充実度は横浜美術館と比肩しうるものだ。
このような素晴らしいものを聴き逃す手はない。

曲良し、演奏者良し、ホール良し…と、
三拍子そろったコンサートだ。

古典四重奏団は日本を代表するカルテットで、
期待どおりの演奏。

演奏者の解説は時々つまらないものがあるが、
今回のチェリスト田崎さんのおしゃべりは楽しくて、
音楽を聴く手助けになるものだった。

前座にモーツアルトの「アイネ・クライネ…」の
第1楽章を弾いたあとのトーク、
ハイドン「ラルゴ四重奏曲」第2楽章の
ワンフレーズを聴かせて、「どう感じますか」
と問いかける。

QUARTETTO CLASSICO 古典四重奏団

ほとんどの聴衆は、荘厳な気持ちと答えたところで、
ハイドンは「悲しみ」を表したかったと解説した。
つまり「悲しい」音楽は時代とともに
変化するものだと締めくくった。

ショスタコーヴィチもシューベルトも
悲しい音楽を書いた。
しかし、ハイドンからショスタコーヴィチまでの
「悲しい音楽」の表現は大きく異なるものだ。
素晴らしい解説だった。

ショスタコーヴィチ「第11番四重奏曲」は
7楽章20分足らずの簡潔な作品。
しかし、その中にはショスタコのエッセンスが
凝縮された名曲。
変化に富み、切れ目無い7楽章は
緊迫感を保ち迫真の名演だった。

第3楽章は飛行機がダッチロールしているかのような
絶望的な心象風景で、それに続く葬送が
より一層心をかきむしる。
最終楽章のコラールのようなハーモニーは
諦観なのか絶望の果てなのか。

QUARTETTO CLASSICO 古典四重奏団

舞台背景、薄暮のライトアップされた新緑が
演奏家に襲いかかってくるような恐怖を感じたのは
僕だけっだったでしょうか。

演奏が終っても手にべっとり汗をかいて、
しばらく拍手ができなかった。
ショスタコーヴィチ、人類史上最高の作曲家の一人だ。
聴けば聴くほど、引き込まれていく。

古典四重奏団の名演にブラヴォー!

QUARTETTO CLASSICO 古典四重奏団

続く >>>

written by rainbow

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