収集

 小杉放菴記念日光美術館のコレクションは、1992(平成4)年に、小杉放菴の長男で、早稲田大学名誉教授の故・小杉一雄氏から寄贈を受けた1200点以上にのぼる「小杉放菴の寫生画」と、安田講堂の舞台を飾る壁画制作の準備のために描かれた《泉》を含む数点の油彩画、そして、横山大観と競い合って集め、実際の制作にも使われていたという中国の古い硯と墨や、自らが描いた作品と交換して手に入れた室町時代以前の制作と推定される《文殊菩薩》などの「遺愛品」が基礎となっています。
 その後、美術館の開館へ向けての本格的な収集が始まり、購入と寄贈および寄託の受け入れなどによって、小杉放菴の作品と、あわせて、近代の日光におけるさまざまな文化的事象に関わる美術資料を中心にコレクションの充実を図りました。
 作品の収集は開館後も継続され、現在、日光の美術館では、このコレクションの紹介を基本的な活動の一つの柱にしています。
 昨今の社会情勢の変化は、作品の収集活動をきわめて困難なものにしていますが、それでも、多くの方々の御協力により、これまでに、以下のような特筆すべき作品や資料を所蔵、あるいはお預かりして、展示・研究を行なってきました。

◆購入した主な作品や資料

  • 小杉放菴の代表的な大作である《水荘訪客》《列仙屏風》《後赤壁賦》など
  • 日光の社寺を描いた明治30年代の水彩画コレクション

◆寄贈を受けた主な作品や資料

  • 小杉放菴の先輩であり、不同舎の新進画家であった吉澤儀造の水彩画と素描
  • 社団法人 春陽会が保管されていた木村荘八の作品と資料
  • 大木コレクションによる小杉放菴を中心とした作品
  • 小杉一雄氏の没後、御遺族から追加で寄贈を受けた小杉放菴の寫生画と遺愛品
  • それぞれの御遺族から寄贈を受けた、鶴見守雄、鈴木淳、我妻英策の油彩画
  • 御遺族から寄贈を受けた今関啓司の作品と資料
  • 関係者から寄贈を受けた中村直人の水彩画と彫刻
  • 展覧会を契機に寄贈を受けた、日光アール・ブリュットとしての秋山俊也氏の作品
  • 展覧会を契機に寄贈を受けた彫刻家・手塚登久夫氏のふくろうの作品
  • 現在の芳賀町にあった豪農・般若塚の黒崎家に伝来の扇面画コレクション
  • 財団法人 国立公園協会の解散に伴って寄贈を受けた国立公園絵画
  • 展覧会を契機に寄贈を受けた現代美術の平面と立体の作品

◆寄託を受けた主な作品や資料

  • 財団法人 日登美美術館よりの20点以上におよぶ小杉放菴の作品
  • その他、幾人かの所蔵家の方たちによる小杉放菴や石川寒巖の作品