2003年度

教育普及――特別企画

大人と子供で楽しむ絵と音楽の夕べ
"美術館へおいでよ!"

2003年7月25日(金)  18時30分〜20時20分

◆場所     小杉放菴記念日光美術館エントランスホール・展示室
◆講師     音楽の楽しみ|宮地ゆみ
        絵の楽しみ|鈴木日和(当館学芸員)

●参加料:小学生以上ひとり 300円(飲み物付/コーヒー、紅茶、オレンジジュース)
●参加者:有料41名 無料5名  合計46名
※子供内訳(小学生12名・幼稚園以下9名)

 夏休みのひととき、大人と子供で一緒になって、絵を見ることや音楽をきくこと、歌を歌うことの楽しさ。
 小杉放菴記念日光美術館では初めての試みとして、日光市中央公民館との共催により、大人から子供までの、絵を見ることや音楽があまり楽しめないという方を対象に、意外と楽しい絵と音楽の世界を御紹介しました。

【実施内容】

〈絵を楽しもう〉――18時30分〜19時15分 (担当:鈴木日和)

◆《泉》をテーマに、対話を通して絵を楽しむ鑑賞方法を実践してみる。

《泉》

《泉》

●《泉》の前に、子どもが座るマット(展示作業用のマットで代用)と大人が座る椅子を用意する。

●油彩画の技法を説明するため、油絵具・筆・カンヴァスを用意する(実際には使用しなかった)。

●最初に、「走らない」「作品に触らない」「大きな声で話さない」という美術館で守るべき3つのルールを紹介する。

●寛いだ気分で対話できるように、作品の前に座って鑑賞できるようにした。

●小杉放菴記念日光美術館のシンボル的な作品として常設展示している《泉》を、鑑賞の対象とする。

●《泉》をよく見てもらい、何が見えるかを次々に話してもらう。

●最初はみな、勝手がつかめずに緊張していたが、子どもたちが次々に答えはじめると、それに触発されて、大人からも声が出始めた。

●子どもの目と大人の目、子どもの感じ方と大人の感じ方といった持ち味の差異が、双方それぞれの刺激となり、活気のある対話ができるようになった。

●対話が進むにつれて次第に、画面に描かれた目に見えるものから、風や温度など、目に見えない事柄にも関心が向かい、言及されるようになった。

▼最初の問いかけを、「何が描いてあるかな」としてしまったが、「何が見えるかな」とした方が、目に見える、画面に描かれた内容だけにとらわれず、自由な意見が言いやすいのではないかという反省を持った。

▼また、対話を導く鑑賞のリーダーは、全体的にリラックスした状況をつくり、参加者の全員が話しやすい雰囲気づくりを心がけなければならないことが痛感された。

〈休憩〉――――――19時15分〜19時35分

〈みんなで歌おう〉―19時35分〜20時20分 (担当:宮地ゆみ)

◆ピアノによる、ベートーヴェンの「月光」とドビュッシーの「月の光」の独奏があったあと、参加者全員で「森のくまさん」と「坂道」を輪唱した。

●美術館のエントランスホールに、山台は使用しないでコンサート・ステージを設定し、ピアノを配置する。

●ピアノを囲むように、半円状に椅子を並べる。

●通常のコンサートと同様に、背景のガラス越しに照明(赤・緑・白)を設置。

●〈絵を楽しもう〉の余韻を大切にするため、ピアノの独奏から始める。

【アンケートの結果】

◆終了時にアンケートを実施(回収27件)……以下は、その結果。

1.この美術館に来たのは初めてですか。

2.美術館の雰囲気や、学芸員・スタッフの対応はいかがでしたか。

3.この企画をどこでお知りになりましたか。(複数回答)
  また、よろしかったら、参加のきっかけをお教えください。

〈参加のきっかけ〉

4.絵・音楽、それぞれの企画について、ひとこと感想をお願いいたします。(抜粋)
(どんなことでもご自由にお書きください)

〈絵〉

●じっくりと絵を見るきっかけ、方法として大変に面白く感じました。もっとゆっくり時間を掛けてもいいくらいに楽しく過ごせました。

●自分が思ってもいない、見えない所がとっても…。五百城の絵がすごい。感動する絵が見える。すばらしい。

●こんな見方もあるのだなーと考えが変わりました。

●自然に思いついたことを考えてよいのだと思いました。

●今迄何となく見ていたものが想像しながら楽しく見れた。

●ゆっくりすみずみまで見るといろんな事が見えてくるとの説明が、たいへん参考になりました。

●今まではばくぜんと見ていましたがとても勉強になりました。

●細かい所までみる、観察することを学ぶことができました。

●絵をゆっくりと見て、その中の人物、風景などをよく考えるのもおもしろいと思った。

●1枚の絵をゆっくり見ることができると、いろいろな物が見えるということがわかりました。

●スケッチと色の塗り方の指導などを取り入れたらよいと思います。

●とても良く、絵をみる楽しみができました。

●大変わかりやすく勉強になりました。

●もっとゆっくりよく見るようにしたい。先入観を持たずに。

●とっても良かったです。絵を観るのが楽しくなりました。

●絵の見方について面白い企画だと思いました。

●一枚の絵を色々な見方ができることを知ることができました。

●これからは絵を見ることが楽しくなりそう。こまかい事に注意が出来そう。

●あまり行きたがらない息子二人と一緒に来たのですが、楽しそうだったので良かった。

〈音楽〉

●月光二曲、聴き比べる、テーマを持って設定する、聴く面白さを感じました。

●とってもリズムにのって楽しかった。すいこまれそうでした。

●月光すばらしかった。目をつぶって聞いているとベートーヴェンの世界にひたれた。

●ニコニコ顔の先生がとてもすてき、楽しかったです。

●なるべく足を運びたいと思っています。

●楽しく気持ちよかった。

●大きな声を出して歌ってとても楽しい気分になりました。

●曲が今夜の雰囲気にマッチして、心地よく聞くことができました。

●楽しみに各種類があったらと思う。

●楽しかった、知らない歌おもしろかった。

●知らない人たちと歌ったのに楽しい気持ちになりました。

●みんなで歌うと、できないもでもできるものですね。

●歌は苦手ですが、楽しかったです。

●とても楽しかった。声を出すことは良いですね。

●久し振りに大きな声を出したように思う。すっきりしました。

●生のピアノ演奏を聴くことができ、よかったです。又、歌(合唱)も楽しめました。

●声を出したのが久し振りだったので、少し辛かった。

●このような機会をこれからもよろしく。